テクノロジー

TECH
Web3時代の
「顔の見える化」を実現する
ブロックチェーン
目指すは「電力の民主化」
ブロックチェーンによって実現する次世代の分散型インターネット「Web3」に注目が集まっています。UPDATERは中央集権型であった電力業界において、「電力の民主化」というビジョンを描き、2018年にブロックチェーンを活用したP2P電力トラッキングシステムを世界で初めて商用化しました。これは発電量と需要量を発電量と需要量を30分ごとに取引として約定し、約定結果をパブリックブロックチェーン上に書き込むことで、「どの電源からどれだけ電気を買ったか」を証明するものです。
電力のDXによって情報の処理は膨大に。書き込み処理のアルゴリズムを見直すなど、トランザクション処理速度の高速化や書き込みコストの低減にも日々取り組んでいます。
空気、土、バッテリーあらゆるものに透明性を
2022年には電力領域で培ったノウハウを応用し、環境や人権などに配慮したサプライチェーン構築を目指すブロックチェーンソリューションの提供も開始しました。これは製品の生産過程においてどの生産者にいくら支払われたのかなど、お金の取り引きを見える化するもの。将来的にはモバイル決済と連携させ、製品が購入されたタイミングで、生産者への支払い金額が可視化されたり、購入者が使用用途を選択して社会課題解決のための応援金などを送れるようにしたいと考えています。
自社運用で精度を磨く
AI発電量予測
気象条件によって発電量が変動する、再生可能エネルギー発電所。UPDATERは東京大学と共同でAIによる予測モデルの研究に取り組み、再エネ発電所の発電量を予測するシステムを開発しました。これは過去の発電量実績データや気象予測データを機械学習させて開発した予測モデルを用い、翌日の発電量を予測するもので、日本の再エネ主力電源化に欠かせない技術です。利用する気象予測データの拡充やモデルの検討にも継続的に取り組み、予測精度の向上を目指しています。
まるで虹のように、無線電力を識別する
電力カラーリング
通信領域では普及しているものの、有線による送電が主流であった電力領域ではなかなか進まなかった「無線化」。京都⼤学との共同研究を通じ、カオスCDMAによる無線電力の符号化や磁界共振の共振周波数を数種類に振り分けることで、「電力の虹」のように無線電⼒の送り分け(無線電⼒カラーリング)が実現できることを発⾒しました。これは無線電力供給ステーションやサービスの具現化に必要な技術で、電気自動車などの普及によるワイヤレス給電時代を見据えて取り組んでいます。
オフィスや保育園の空気改善につなげる
空気質ビッグデータ
Well-being Tech事業「みんなエアー」では、クラウド型多機能空気センサーを用いてオフィスやコールセンター、保育園など全国約4,500地点の空気質を常時モニタリング。空気中に含まれるCO2やPM2.5、tVOCなどの数値データを15分単位で取得し分析することで、空気環境改善の提案につなげています。
ソーラーシェアリングをはじめとした
土壌の炭素貯留研究
農業機械で土を耕したり、水田の水を張ったり、化学肥料を投入したりすることから温室効果ガスの排出量が多い産業とされてきた農業。近年、土壌を改良することで大気中のCO2を吸収し、貯留できることがわかってきています。特に有機農業や不耕起栽培は土に炭素を蓄積させ、失われた炭素を修復させる効果があることから、2015年のCOP21以降、脱炭素を実現する手法として注目されています。

UPDATERは太陽光発電と農業を同時に行うソーラーシェアリング型発電所や、栽培手法の異なる水田や畑を実証の場とし、独自の土壌分析を通じて炭素貯留研究を進めています。この研究では栽培方法の違いによる土のカーボン・ネガティブ効果を実証し、さまざまなメリットを土壌データから読み解きいています。農家さんのこだわりに合わせて土壌分析メニューを提案し、結果が「見える」プラットフォームをつくることで、土のデータで農作物の魅力を一層伝えていきたいと考えています。