【前編】高校生が「再エネを“学び、選び、体験する”エネルギー実践授業」を開催!
INDEX
はじめに
埼玉県飯能市の自然に囲まれた中高一貫校、自由の森学園。
ここで今、高校生たちが“学園で使う電気”を自分たちで学び、選び、体験するという、
新しいエネルギー教育プログラムが始まりました。
この取り組みは、自由の森学園と、再生可能エネルギーを「顔の見える電力」として届けるUPDATER(みんな電力)の共同企画。生徒たちは、再エネを授業で学び、投票で発電所を選び、そして実際にその発電所を訪れるという3ステップを通じて、エネルギーを“自分ごと”として考えるプログラムです。
今回は前編・後編の2部構成でお届けします。
前編では、高校生たちが授業を通して「電気を学び、選ぶ」までの姿をレポート。
後編では、彼らが自分たちで選んだ発電所を訪れる様子をご紹介します。
再エネを学び、選び、体験するエネルギー実践プログラム!
今回、みんな電力と自由の森学園が共同で実施したのは、「再エネを学び、選び、体験するエネルギー実践プログラム」。
生産者の顔の見える“みんな電力”だからこそ実現した、特別な授業です。
講師を務めたのは、UPDATER法人営業の沖山 敬(おきやま けい)。
実は、2019年に自由の森学園でUPDATERが開催した授業に生徒として参加していました。当時の体験がきっかけでエネルギー業界に関心を持ち、今回は授業を“教える立場”での登壇です。

▲自由の森学園の様子
自由の森学園は、埼玉県飯能市の自然に囲まれた中高一貫校。UPDATERが電力事業を「みんな電力」を始めた2016年からのパートナーです。
特徴は、高校生を対象に100を超える選択講座を設けていること。その中のひとつ『環境学』では、日本のエネルギー問題をテーマに講義やフィールドワークを行っています。
みんな電力はこれまでも環境学とコラボレーションした授業を行ってきました。
今回の「再エネを学び、選び、体験するエネルギー実践プログラム」は2019年に実施した授業『でんきの購入先を選ぶ「発電所総選挙」@自由の森学園』を更にアップデートし、『学習・選択・体験』をセットによりパワーアップさせた教育プログラムです。
(再エネを学び、選び、体験する!高校生が“学校で使う電気”を決める新たな教育プログラムを自由の森学園で提供:https://minden.co.jp/news/2025/06/10/9807)
「顔の見える」エネルギーを学ぶ1日
第一回の授業は5月下旬に開催されました。
土曜日の選択授業にもかかわらず、受講する生徒数は約40名とかなり人気な環境学!

▲UPDATERによる授業の様子
例年5月からはじまる本講座は、まだエネルギーについて学びはじめたばかりの生徒も多く、まずは、電気をリンゴに例えて電力業界の構成を説明しました。

これまで見えていなかった電力の生産者である発電事業者さまが見えることがみんな電力のいいところ。熱心な生徒の皆さんのペンが進みます。
エネルギーの話題といえば再エネ!
でもどうして再エネが必要?電気を変えるだけでCO2が減らせる?
話には聞くけど詳しくは知らない再エネのアレコレも一緒に学習しました。

脱炭素はもちろん、国内で資源やお金を循環できるのも再エネの魅力です。
電力を地産地消するなんてこれまで想像できましたでしょうか?
自分たちの意思で、学校の電気を決める
授業で再エネを学んだ高校生たちが、次に取り組むのは「選ぶ」こと。
学園に送られる電気の“生産者”を、自分たちの手で決める総選挙が開催されました。
今回の候補は、地域も発電方法も異なる3つの発電所。
(A)五下原営農型発電所(福島県・福島農民連)

(B)柚ノ木発電所(山梨県・山梨県企業局)

(C)あしかがエコパワー発電所(栃木県・あしかがエコパワー)

それぞれの発電所の事前インタビューを視聴し、 発電者の思いや地域での取り組みを学びました。

真剣な表情で話を聞く生徒のみなさん。
コンセントの先には色んな思いを持った発電事業者さまがいることが伝わりました。
投票の瞬間、生まれる“つながり”

投票シートには、発電所名に加え「選んだ理由」や「発電事業者さまへの応援メッセージ」も記入。
「林業の授業で学んだことと重なる」
「使われない木を有効活用している」
「地域循環の仕組みが素敵」
生徒たちのコメントには、自由の森学園らしい“環境感度の高さ”が伝わってきました。
結果発表!選ばれたのは…
投票の結果、あしかがエコパワー発電所(栃木県)が見事1位に!
その差はわずか1票という大接戦でした。
・自由の森のボイラーやペレットストーブと同じ考えだから
・林業の授業を受けており、林業問題の解決策になると思ったから
・本来ごみとして使われないものを有効活用しているから
森林に囲まれた自由の森学園らしい投票理由に納得の一言です。
6月からは、この発電所の電気が自由の森学園に送られてきます。
生徒たちは、教室の灯りの向こうに“発電事業者者さまの顔”を思い描きながら、エネルギーとの新しい関わりを体感します。
ここで生まれた“選んだ責任”と“知る喜び”は、次の学びへとつながっていきます。
後編ではいよいよ、選ばれた発電所へのスタディツアー!
高校生たちが“自分たちで選んだ電気”に直接会いに行きます。
▶後編はこちら
WRITER
沖山敬
2024年新卒入社 自由の森学園高等学校 出身。高校2年の頃に履修した”環境学”で株式会社UPDATERと出会い、再生可能エネルギーに興味を持ったことがきっかけでジョイン。自らの活動で学生とサステナビリティがつながり、それをきっかけにUPDATERへジョインする ”第二の自分” を生み出すことが野望。好きな漢字は”企”。